手強い相手1998

苦手な方は パスして下さい そんな話 

手強い相手だ 決して油断出来ない 決して隙を見せてはいけない

1998年 父親が亡くなり 長男の俺が44才で喪主 これの経験は無かった

荼毘に付して 骨上げ 最後くらいに俺が骨上げしたのは

上顎骨(とネットに有った)

父親の顔を思い浮かべた 顔の真ん中の一部分 小さいデスマスクのイメージ 

小声で つい言ってしまった 「親父の顔だ」

父親の相手の 例の手強い相手が同席していた事を 気付かなかった

俺の漏らした 一言を聞くと 急に近付き

骨上げの箸を 握り箸にして ザックザックと それを 突き刺し 砕き始めた

そんなに たくさん 遺骨を詰め込みたいか

それとも 父親の顔がイメージできる上顎骨を 

どうしても突き刺して 砕きたかったか

同席の俺を含めて 全員何も言わなかった

「てめえ なにしやがる」と言えなかった

荼毘に付す時の点火スイッチON 完了して引き出した遺骨の立ち合い

場慣れしていなかった

もっとも 経験したくもない 事例だが

分骨して欲しければ もう一つ 骨壺を用意すれば良いではないか

俺もそれは 感じていた

この予感は 後日 的中する

そうだろうとは 思っていたが 「このアマ 手強い」 と確信した