ダサいスーツ1974

 現場監督は年中 作業服で良い

就職が田舎から大都会へだった 父親が仕立ての背広を冬服 夏服と2着

自宅まで採寸に来てもらった

今なら既製服が 紳士服大手 ショッピングモールでも安く買える

お陰で 本社出社で恥をかかなかった 同期の年下は普段着に

アポロキャップをかぶり出社 あだ名は「アポロ」と呼ばれていた

だが 普段着はアイビールック メンズクラブから出てきた様な完璧だった

有楽町の喫茶店のポスター写真撮影 俺は奥の後ろ向きで そいつがバッチリ

アップで撮影

他のアイビーの同僚から 俺のスーツ 革靴が 「どうのこうの」

現場に出れば朝から晩まで 下手すれば土日も作業服 安全靴

やがて どこかで既製品スーツを買うと 結構OK

父親がオーダースーツの仕立屋を呼んで 買ってくれた物は

直ぐに着なくなった