絞め落とし1970

進学して 体育の授業で柔道が必修だった

真新しい柔道着の俺を 柔道部の先生が呼び付けた

この体育の先生は「もがけ 苦しめ 這いずり回れ」がモットーと宣誓して

体育館を体育授業時間 ずっと ウサギ飛びさせられ クラス全員 足が痛くなった

剣道初心者で入部した俺を

隣の柔道場の畳の上で俺を見ていたはずだ

小柄で柔道の素人

ましてや 受身もろくに稽古していない

俺は絞め落とされるとは 予測出来なかった

もし 先輩から あの先公は柔道授業で弱そうで

抵抗しても 大した事無い奴を 「絞め落とすぞ」と聞いていれば 間合いを取った

近づけば 払うふりをして 目突きしても

素人の正当防衛

意識が戻った 直ぐに立ち上がり 走り寄り

柔道の先公との間合いを詰めた

先公と目が合った 俺は 今後 舐められ無い様に

態度で示したつもりだ

この経験は数ヶ月後 役に立った

剣道部で 恩師に朝も6時半 7時から朝練

御指導頂き 防具をつけて地稽古をさせてもらえるまでになった

白い稽古着 袴の先輩が俺に組み付き 首を絞めて来た

1組 2組は いつも 道場の床 板間の上に寝転がり

組み合って 首を絞め合っているのを

見ていた 「参った」と言うまで

中学剣道では無かったらしい

俺は この剣道しか知らない

俺は 直ぐに小手を取り 素手で先輩の面の下に

手を入れ 殺す つもりで首を絞めた

当たり前だ 有段者相手に 相手を殺す気が

無ければ 俺は イチコロだ

俺の殺気を分かって頂けたのか

「小手を取っては駄目だ 」などど

ルール無視の殺し合いに

ルールが有るかの様に先輩は言った

その後 俺を押し倒して 首を絞める部員は

いなかった

その後 俺は 最後には キャプテンもさせて

頂きました