香典帳1998

親父の葬儀後 伯父さんから 家に来る様に

電話が有った

俺は その時一応 会社の役員職でも有り

会社から各社に連絡してもらって

参列者は 多い方だった

だが 香典は葬儀費用で チャラだった

父親が別居していた関係か 俺は 戸籍謄本を調べた事が有る

親父の兄弟の長男である伯父さんは その時代

家督相続(長男が財産全て相続)した事が戸籍謄本に記されていた

だから 伯父さんが 香典帳(香典名寄帳)を

持って来い と言って来た時 何が言いたいのか

想像出来た

来いと言うのなら 行ってやろう

手ぶらで行った 頂いた香典は葬儀費用で

0だ

文句が有るのなら 受けて立ってやる

案の定 香典帳(香典名寄帳)を きっちり

分かる様に 直ぐに作成し直して 出直して来い

と言う様な趣旨だった

俺は

「てめえに 何の関係が有る

死んだ親父の遺言は○○(伯父さんの住んでる町の名前)の言う事は 聞くな だった

○らを○すぞ 」と啖呵を切った

伯父さんは

「やってみろ 」と言った

駄目だ 煮ても焼いても食えない

長居しては 修羅場になってしまう

「来いと言えば いつでも来るが

今度は やるぞ」と捨て台詞を吐いて

帰った

まるでVシネマの 1シーン

その後 何の音沙汰も無く

鬼籍に入った 事すら知らなかった